平成28年第4回明和町議会定例会より 行政報告

「12月議会行政報告」

【行政報告】
はじめに
平成28年第4回定例会の開会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
議員の皆様には、公私何かとご多用のところ、本定例会にご出席を賜り、誠にありがとうございます。また、ただ今は、本定例会の会期を4日間とお決めいただき、諸案件のご審議を賜りますことに対し、厚くお礼を申し上げます。
さて、平成28年も残すところあとわずかとなりましたが、今年は、熊本県熊本地方で最大震度7を観測する地震が発生し、甚大な被害をもたらしました。8か月が過ぎた今も、倒壊したままの住宅や寸断された道路が残り、一部地域では断水が続いているなど、引き続き、生活の再建が大きな課題となっています。
発災から3か月が経過し、復旧・復興事業が本格化し始めた8月中旬に、全国町村会から「熊本地震に係る被災市町村に対する中長期的な職員派遣」に係る協力依頼がありました。技術系の職員を含めた中長期的な人的ニーズが高まってきているとのことでした。決して余裕のある状況ではございませんが、少しでも支援をさせていただきたいと思い、税務課の固定資産税を担当する事務職員1名を派遣することとしました。派遣期間は10月と11月の2か月間。派遣先は熊本市財務局税務部、北区役所内の北税務課で、主な業務内容は、災害に伴う消耗調査や減免調査など、家屋の新増築・滅失調査でした。
派遣期間を終えた職員は、12月から元気に職場復帰をしています。この経験を一人でも多くの職員に伝えてもらいたいと思い、朝礼を開き、現地の様子などを報告させました。町として「南海トラフ巨大地震」への対策が急務であり、各種の防災対策事業を実施しているところですが、さらに心して取り組まなければならないと考えています。
それでは9月定例会以降、本定例会までの間の主な動きにつきまして、簡略にご報告させていただきます。

町民バスの路線とダイヤ改正及び「伊勢市おかげバス」の山大淀までの延伸
10月1日、町民バスの路線とダイヤの改正、及び「伊勢市おかげバス」の山大淀までの延伸を記念した式典を三重交通旧バス停留所で行い、地元の自治会長さんにも出席していただきました。今回の改正は、バス路線を2ルートから4ルートに拡充し、車両を2台から3台に増やすことにより、町民の皆さんの利便性の向上をより一層図ることを目的としています。また、「伊勢市おかげバス」の東大淀・日赤ルートが山大淀まで延伸することとなり、町民バスとおかげバスの乗り継ぎが可能になりました。伊勢志摩定住自立圏の政策協定により伊勢市の協力を得て実現できたもので、買い物や病院へのアクセスが便利になるものと考えています。

敬老福祉大会
10月2日に「敬老福祉大会」を総合体育館で開催しました。この大会は、高齢者の皆さんの長寿を祝い、演芸大会などを通じて参加者の皆さんの交流と親睦を深めてもらうことを目的として、町老人クラブ連合会と明和町が毎年この時期に開催しています。今年の参加者は約880人で、大会宣言を採択した後、副議長の音頭で万歳三唱。長寿を祝いました。 また、この日は、3つの公立保育所・こども園で運動会が行われました。どの子どもたちも、とても嬉しそうな笑顔で競技する姿が印象に残りました。

第51回全国史跡整備市町村協議会・第56回全国国保医療学会
10月4日から8日にかけて、函館市で開かれた「第51回全国史跡整備市町村協議会」と、山形市で開かれた「第56回全国国保医療学会」に、全史協は副会長、医療学会は三重県国保連合会副理事長という立場で出席しました。周辺市町の視察などにも参加し、それぞれに新たな課題などについても学習することができました。

第1回三重県南部医療的ケア地域支援連携会議
10月10日、済生会明和病院「なでしこ」が担当する三重県重症心身障がい児(者)相談支援事業の第1回三重県南部医療的ケア地域支援連携会議が、済生会明和病院で開催されました。県内において受けられる医療・福祉・介護サービスの内容にも、地域間格差があるのが実情です。特に県南部地域では、医療機関も少なく、体制整備の確立が求められていることから、済生会明和病院「なでしこ」では、相談事業の一環として伊勢・松阪・志摩・多気郡・東紀州圏域に在住の、医療的ケアを必要とする皆さんが利用できる在宅支援システムの構築を目指しています。行政や医療従事者、福祉関係者らにその実態を報告し、連携を深めるための会議でもありました。

明和町戦没者追悼式
10月15日、戦後71年目の「明和町戦没者追悼式」を、明和町遺族会の皆さん約300人の出席のもとに、中央公民館で厳かに挙行いたしました。改めて戦争の悲惨さや平和の尊さを次の世代にどう伝えていくのかということが、現代に生きる私たちの大きな課題であり、そのためにもこの追悼式が単に鎮魂の儀式であってはならないと思っています。遺族の悲しみだけでなく、戦禍に倒れた方々の無念さを思い、今の平和な生活が多くの方の犠牲の上にあることを忘れることなく、再び郷土が戦禍にみまわれることのないよう、努めていかなければならないと改めて決意しました。この後、引き続き、陸上自衛隊明野駐屯地・明野航空学校で行われた「殉職者追悼式」に出席し、近隣市町の首長として献花をさせていただきました。英霊に対しての礼砲が3発!この銃が人間に向けられることのないよう、平和な世界であることを願って止みません。

第20回交流祭
10月29日、人権センターで第20回交流祭を開きました。人権センターでは各種事業を展開しながら、交流事業を通じて人権に対する啓発活動を行っています。多くの人が交流を図りながら、人権を考えるきっかけになる一日にしていただけたのではないかと思っています。

町総合防災訓練
10月30日、下御糸小学校を主会場に、町総合防災訓練を実施しました。地震体験車による地震体験、濃煙体験と消火訓練等のほか、消防団による倒壊建物からの救出訓練と傷病者搬送訓練を行いました。また、各自治会においても安否確認を中心とした訓練に取り組んでいただきました。

行政視察で島根県津和野町議会が来庁
11月1日、災害時の応援協定を締結している島根県津和野町議会が、行政視察の目的で当町にお越しいただきました。津和野町は全国史跡整備市町村協議会に加入されており、以前から町長間で交流があったことから、災害時に物資や資機材の提供、職員の派遣や被害者の受け入れなどがスムーズに行えるよう、京都府与謝野町との3町で、平成26年1月に協定を結びました。今回は、平成26年5月に明和町議会が津和野町を訪れていることから「歴史文化を活かしたまちづくりの推進」を目的に、いつきのみや歴史体験館、さいくう平安の杜や斎宮歴史博物館などを辻井議長とともにご案内し、研修を行っていただきました。

「水土里ネットみえ松阪支部」要請活動
同日、「水土里ネットみえ松阪支部」が来年度の土地改良予算の確保を関係機関に要請する活動を行いました。松阪農林事務所では、パイプライン化事業のさらなる予算確保と、農村地域防災減災事業の推進等についてお願いしました。この後、県農林水産部に出向き、農業施設の老朽化が進み緊急を要する故障対応などに苦慮していることを訴えました。結果は直ぐには出ませんが、これからも国、県に対して要請を行っていきます。

「めい姫の十二単バウム」完成発表セレモニー
昨年12月に開催した「おみやげアイデアコンテスト」で最優秀賞に選ばれた「めい姫の十二単バウム」がようやく完成し、10月20日から23日にイオンモール明和で開催された「松阪地域・食の特産品フェア」で、完成発表セレモニーを行いました。明和町の新しい土産物として開発された「めい姫の十二単バウム」は、11月2日から松幸農産「しあわせ家」で販売しています。まずは、町民の皆さんに食していただき、そしてお土産や贈り物として広めていただきたいと思います。

町民文化祭
11月5日と6日の2日間、総合体育館と中央公民館で「町民文化祭」が開催され、今年も多くの皆さんから数多くの作品が寄せられました。文化祭は、作品展示だけではなくグループ活動の発表の場でもあります。消費者グループの皆さんが、熊本の災害支援募金を兼ねたパネル展示と、併せて消費者問題に対する注意を呼び掛けていました。また、町職員の給食調理員さんらが中心となって毎年販売している「揚げパン」は、いつも行列ができるほどの人気です。今年もアッという間に売り切れてしまいました。

群馬県明和町との「広域連携協定」を締結
11月8日、同じ「明和町」という町名を持つゆえんから、平成11年に友好交流提携を締結し、物産交流やスポーツ交流を行いながら連携を深め、平成25年1月には災害時の相互支援協定を締結し、災害時における協力を約束しています群馬県明和町と、新たに産業・観光・子育て支援・移住定住促進など、地方創生に関する様々な分野において施策等の連携を図るため、「広域連携協定」を締結しました。これを機会に、さらに情報交換に努め、お互いに成長していきたいと思います。

全国町村長大会・ 中部国道協会促進大会
全国史跡整備市町村協議会臨時大会
国保制度改善強化全国大会

新年度の国の予算は、各省庁から財務省に概算要求が提出され、激しい折衝が始まりました。毎年この時期には、全国から予算確保のための陳情団が押し寄せます。私も11月15日から17日の間、全国町村長大会、中部国道協会促進大会、全国史跡整備市町村協議会臨時大会、国保制度改善強化全国大会に出席するとともに、三重県町村会の各町長とともに、三重県出身の国会議員の皆さんに防災対策等の強化等を要請し、意見交換を行いました。 全国町村長大会では、「一億総活躍社会の実現・地方創生の推進」「地方交付税等地方の一般財源の総額の確保」「東日本・熊本地震の復興、防災・減災対策の強化」など8項目を含む地方からの要請事項を決議、採択し、代表団が財務省や総務省などに要請行動を行いました。また、全国史跡整備市町村協議会には現在587の市町村が加盟しており、それぞれの市町村が予算の少ない中で、史跡の保存や活用に知恵を出し、発掘調査を行いながら整備を進めています。この臨時大会では、要求項目の確認を行った後、各県ごとに分かれて地元選出の国会議員の皆さんに要請を行うとともに、全史協会長と副会長で財務省、文部科学省、文化庁に陳情を行いました。また、国保制度改善強化全国大会では、平成30年度から保険者の都道府県化へのスムーズな移行、保険料の激変緩和のための国からの支援等々、国保が抱える課題解決に向けて、国の支援を要請する決議を採択し、厚生労働委員会に所属されている衆参両議員に陳情を行いました。

第11回子育て応援!わくわくフェスタ
11月19日と20日には、三重県・みえ次世代育成支援ネットワークの主催で「第11回子育て応援!わくわくフェスタ」が、松阪市の県立「みえこどもの城」で開催されました。「家族みんなであそぼう!ふれあおう!」をキャッチフレーズに、2日間で延べ51の事業所等が遊びや体験・展示コーナーを設け、日頃親子で遊ぶ機会の少ない家族が一緒になって楽しむイベントなどが行われました。

空き缶ゼロ運動
「わたしたちの町を、空き缶などのないきれいな町に」と11月20日、空き缶ゼロ運動が町内一斉に行われ、早朝から約3,000人が参加し、道端や水路に捨てられた空き缶やビン・ペットボトルなどを回収していただきました。回収されたごみは総重量で約1,340キログラムにもなりました。ご協力をいただいた皆さんに心からお礼申し上げます。

明和町消防団秋季訓練
またこの日は、明和町消防団の秋季訓練が明和消防署で行われました。出初め式に備えた中隊や小隊の編成、観閲を行うための隊列訓練が中心ですが、夏季訓練以降各分団で操法訓練を実施してきたことから、「操法始め!」から「放水開始!」で標的が倒れるまでの時間と動きの正確さを競う操法競技も行われました。団の結束力の強化と団員としての精神を自覚してもらうための訓練です。今年は第3分団が優勝し、無事訓練が終了しました。

伊勢神宮「外宮」で奉納演奏
午後は、明和町の観光大使を引き受けていただいている作曲家の長岡ながおか成貢せいこうさんが、伊勢神宮「外宮」で奉納演奏を行うとの案内をいただいていましたので、会場に向かいました。素晴らしい演奏に、素晴らしい舞、特別の世界へと誘われる至福のひと時でした

「日本遺産を巡るレンタサイクル」の試乗会
11月21日、日本遺産活用推進協議会の皆さんによる「日本遺産を巡るレンタサイクル」の試乗会が行われました。このレンタサイクルの試乗は、10月と11月の2か月間行われ、200人以上の方に利用していただき、アンケートに答えていただきました。これらの意見等を参考にして、来年度の本格実施に向けて取り組んでいきたいと思います。

ふれあいまつり
11月23日、上御糸地区の「ふれあいまつり」がコミュニティセンターで行われました。お餅にトン汁、フランクフルトや綿菓子などが子どもたちに振る舞われました。芸能大会では、自慢の歌と踊りと大正琴などが披露されました。ふるさと創生の原資を使いながら今年で26回を数える「ふれあいまつり」は、町内5地区の中で唯一続けられている行事です。運営等にあたられる自治会長さん方には、感謝の気持ちでいっぱいです。また来年もよろしくお願いします。

斎宮跡と久留倍官衙遺跡の連携PR協定締結
11月25日、三重県知事に立会人をお願いして、四日市市と明和町とが「斎王」を通じて国指定史跡の斎宮跡と久留倍官衙くるべかんが遺跡を連携してPRしていくための協定を締結しました。久留倍官衙くるべかんが遺跡は、飛鳥から平安時代にかけて斎宮と同時期に当時の役所が置かれていた建物跡で、斎王という関係性を活かしながら、県内外に情報発信をしていこうという取組みです。四日市市の皆さんにも斎宮に来ていただき、「日本遺産」を知ってもらいたいとの思いです。

めいわフェスタとざいしょ市
11月26日、イオンモール明和で町特産品振興連絡協議会主催の「めいわフェスタとざいしょ市」が開催されました。町の特産品の販売のほか、斎王の舞やめい姫ダンスの披露、また、明和中学校吹奏楽部による演奏や平安装束の試着体験などが行われ、大勢の人で賑わいました。

明和町消防団の非常招集訓練
11月27日の早朝6時、明和町消防団の非常招集訓練が実施されました。幹部が午前5時30分に集合し、メールで各分団車庫に参集するよう一斉送信。各分団は参集完了後に各分団長に参集状況を報告しました。携帯電話が普及していなかった時代には、早朝5時に半鐘が鳴らされ、これを合図にポンプ小屋に集結し、想定された火災現場に出動していました。粉雪が舞い、北風が吹く厳寒の早朝、冬の火災シーズンに向かって、この季節の恒例の訓練です。携帯電話の普及によって訓練の様子も変わってきましたが、いざ出動というその時に備えて、日頃から機械器具の整備点検を怠らないようにと訓示しました。

第15回小倉百人一首交流フェスティバル・初心者かるた大会
みいとフェスタ・文化発表会

歯とお口の健康まつり・よりどり検診
またこの日は、三重県かるた協会が主催する「第15回小倉百人一首交流フェスティバル・初心者かるた大会」がいつきのみや歴史体験館とさいくう平安の杜西脇殿で、下御糸小学校では「みいとフェスタ・文化発表会」が、同時刻に行われたため、教育長と手分けして開会式に出席しました。その後、中央公民館で開かれた「歯とお口の健康まつり」と「よりどり健診」の会場へも出掛けました。今年も町内の歯科医の先生方や歯科衛生士、歯科技工士の皆さんにご協力をいただき、健康まつりを開催することができました。また、乳がん検診や若人健診、特定健診、胃がん・大腸がん検診の受診を呼び掛けたところ、多くの方に申し込みをいただき、健康チェックを行っていただくことができました。あらためて関係者の皆さんに心から感謝申し上げます。
国土交通省中部整備局長に陳情
師走に入った12月1日、平成29年度の社会資本整備交付金にかかる予算について、国土交通省中部整備局長に陳情を行いました。社会資本整備交付金は、防災対策として取り組んでいる南海トラフ地震に備える津波避難タワーの整備促進や、歴史的風致維持向上計画に基づく斎宮跡周辺整備に欠かせない予算です。さらに、道路整備事業では、みょうじょうこども園へのアクセス道路やイオンモールから斎宮歴史博物館に至る広域圏道路の整備など、通勤通学の安全対策を含めた道路整備予算でもあり、その確保を強く要請しました。
防災対策、子ども子育て支援、農林水産業対策、保健医療対策、国民健康保険制度の円滑な運営、教育の充実など、どれも欠かすことのできない課題ばかりです。町が独自で解決できない問題は国や県で対策を講じていただかなければなりません。これからも粘り強く訴えていきたいと思います。
なお、12月14日に町内で死んでいた野鳥のオオタカ1羽の三重県が行った簡易検査で、A型鳥インフルエンザの陽性反応が出たことにつきましては、県との連絡調整が不十分であったことから発表が遅れ、町民の皆様に大変ご心配をおかけいたしました。今後は、町民の安心安全を守るため、関係機関との連絡調整をより一層密にして、適切な情報提供に努めます。

次に、本定例会の上程議案につきましては、指定管理者の指定について2件、三重県市町公平委員会の共同設置に関する協議が1件、条例の一部改正が1件、条例の制定が1件、平成28年度一般会計補正予算ほか6つの特別会計補正予算と、水道事業会計補正予算をお願いすることとしています。
非常に厳しい社会経済環境の中ではありますが、今後とも、町民の皆さんが日々充実した暮らしができるまちづくりの実現のため、町民の皆様、議員の皆様のご理解とご協力を賜りながら、総合計画に定める将来像の「歴史・文化と自然が輝き、快適でこころ豊かな「和」のまち明和」を目指して、誠心誠意努力をしてまいりますので、よろしくご審議を賜りますようお願いを申し上げ、行政報告とさせていただきます。

平成28年12月19日








平成28年第3回明和町議会定例会より 行政報告
「9月議会行政報告」
【行政報告】
はじめに
平成28年第3回定例会の開会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。 議員の皆様には、公私何かとご多用のところ、本定例会にご出席を賜り、誠にありがとうございます。また、ただ今は本定例会の会期を13日間とお決めいただき、諸案件のご審議を賜りますことに対し、厚くお礼を申し上げます。
8月になって日本列島に次々と上陸した台風は、多くの死傷者を出すなど深い爪痕を残しました。特に、台風10号は、特異な進路をたどりながら、東北地方の太平洋側に上陸し、記録的な大雨を降らせて、北海道と東北地方の広い範囲に浸水被害をもたらしました。なかでも、岩手県岩泉町では小本(おもと)川が氾濫し、近くのグループホームが濁流にのまれ、高齢者が死亡しました。急激に状況の変わる大雨災害で、自力で避難することが困難な「災害弱者」の高齢者をどう守るのかという重い課題が突き付けられました。被災地の皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。 さて、政府は8月24日に、平成28年度補正予算(第2号)の概算について閣議決定しました。
今回の補正予算は、歳出面で、8月2日に閣議決定した「未来への投資を実現する経済対策」に沿って、「一億総活躍社会の実現の加速」に7,119億円、「21世紀型のインフラ整備」に1兆4,056億円、「英国のEU離脱に伴う不安定性などのリスクへの対応並びに中小企業・小規模事業者及び地方の支援」に4,307億円、「熊本地震や東日本大震災からの復興や安全・安心、防災対応の強化」に1兆4,389億円等を追加計上するほか、既定経費の減額4,175億円、熊本地震復旧等予備費の減額4,100億円の修正減少額を計上しています。 この結果、一般会計予算の規模は、100兆87億円となっています。
また、同時に、地方公共団体が進めている地方版総合戦略に基づく自主的・主体的な地域拠点づくりなどの事業について、地方の事情を尊重しながら施設整備等の取り組みを進めるため、「未来への投資に向けた地方創生推進交付金」の創設が盛り込まれ、事業費の追加予算が計上されていることから、その動向を注視しなければなりません。
一方、三重県においては、「三重県財政の現状と課題認識について」を発表しています。その内容は、平成28年度当初予算の要求状況公表時には247億円の財源不足があり、歳出面では、税収関連交付金の減や大規模臨時的経費の先送り、社会保障関係経費の精査により143億円を削減し、歳入面において、財政調整基金の取崩しの追加、地方交付税の精査などにより財源の確保を図ったとしています。今後は、投資的経費や一般行政経費といったいわゆる裁量的経費をコントロールすることを前提に置き、歳出全般について見直していく必要があるとしていますので、少なからず影響が懸念されるところです。 これらを背景にして、町では先日、幹部職員を対象に平成29年度の当初予算編成説明会を開きました。これから一層厳しくなる町の行財政運営を直視し、国の動向をしっかりと見据えて、制度改正や補助事業の採択要件の変更も含めて、鋭意情報収集に努め、新年度の予算要求に臨むよう指示したところでございます。 それでは6月定例会以降、本定例会までの間の主な動きにつきましては、副町長の方から簡略にご報告させていただきます。

社会を明るくする運動啓発活動
7月の「社会を明るくする運動」強調月間を前に、6月21日、多気郡保護司会の皆さんから「内閣総理大臣メッセージ」を伝達していただきました。社会を明るくする運動は、犯罪や非行の防止、罪を犯した人たちの更生について理解を深め、犯罪のない社会を築こうとする全国的な運動で、今年で66回目を迎えました。安全で安心な町づくりのために様々な活動に取り組んでいただいている多気郡保護司会の皆さんに、心から敬意を表します。
商工会青年部「絆感謝運動」
6月24日に、明和町商工会青年部の皆さんから「災害対策に役立ててください」と、斎王まつりの斎王市にバザー出店した収益金と募金活動で寄せられた募金を、町に寄付していただきました。商工会の若い人たちが地域の絆を大切にし、こうした活動を通じて、災害に対する意識やまちづくりへの関心を深めていただけることに、心からお礼を申し上げました。
地方創生アドバイザー委嘱式
6月29日、皇學館大学の千田 良仁准教授を地方創生や地域づくりなど幅広い分野で助言をいただく「地方創生アドバイザー」に委嘱させていただきました。千田准教授は香川県生まれで、東京大学の特任研究員などを経て、2015年から皇學館大学教育開発センター准教授に就任されており、昨年から当町の地方創生会議の議長を務めていただいています。地方創生の取り組みは始まったばかりです。先ずは、先頭に立つ職員の意識の醸成に向けた研修から取り組んでいただくこととしています。
日本遺産サミットin岐阜
7月1日に、岐阜県長良川国際会議場で「日本遺産サミットin岐阜」が開催されました。昨年度「日本遺産」に認定された18の団体と、今年4月に認定された19の団体のPR映像の放映やパネル展示、特産品の展示ブースなどが設けられ、それぞれの地域の魅力を情報発信しました。文化庁は、2020年までに100の「日本遺産」を認定するとしていることから、今後も積極的に活動していかなければならないと思っています。
大淀ふれあいキャンプ場安全祈願祭
夏本番を前にした7月3日、大淀ふれあいキャンプ場で観光協会主催の「安全祈願祭」が行われました。アトラクションには、明和太鼓の演奏やお馴染みのフラダンスなどが披露され、恒例の宝探しも行われました。斎王の始まりとして日本遺産に認定された「大淀」。付近には「斎王尾野湊御禊場跡」や「業平松」などがあり、訪れる人が多くなることを期待しつつ、期間中、無事故で楽しい夏になることを祈りました。
第24回参議院議員通常選挙
7月10日、第24回参議院議員通常選挙が行われ、当町の投票率は、選挙区、比例代表とも59.23%で、前回を1.4ポイントほど上回りました。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた初めての選挙でしたが、三重県選挙管理委員会の発表によりますと、18歳と19歳の投票率は50.12%で、全年代の平均投票率の59.75%を下回りました。そうした中で、当町の投票率は二番目に高く、64.68%でした。とりわけ、18歳の投票率は県下最高で、73.83%という結果でした。
自治会長会議
7月13日から18日の間、各地区で自治会長会議を開催し、全町自治会長会で出されていた要望事項等の回答をさせていただきました。防犯灯の設置や通学路の整備、信号機の設置など、その他たくさんの要望をいただいていましたので、町で対応が可能なものと、警察や県との調整が必要な案件とを整理し、あらためて関係機関へ要請していくことを約束させていただきました。
百歳ご長寿訪問
7月14日、百歳になられた上村在住の中村 としさんを訪問し、お祝いの記念品を贈らせていただきました。中村さんからは、趣味で作ってみえるストラップと折り紙を頂戴しました。若い時から体を動かし、時間を見つけては俳句や習字、手芸を楽しんで見えたとのこと。とても百歳とは思えない若さで、私の方が元気をいただいてきました。
コスモス種まき
7月16日、コスモスの花でお客様をお出迎えしようと、国史跡斎宮跡保存協会やみどりの会、呉竹倶楽部の皆さんらで組織する「史跡植栽計画推進委員会」が、斎宮跡史跡内にコスモスの種をまきました。秋には満開のコスモスが、訪れる人たちを楽しませてくれることと思います。
みいとフェスタ開催
7月17日、恒例の「みいとフェスタ相撲大会・納涼大会」が、下御糸小学校で開催されました。午前の部の相撲大会では、三重県立水産高等学校の相撲部の皆さんと子どもたちの楽しい取組を見せていただきました。土俵がある小学校は県下でも珍しく、将来、我が町から関取が誕生してくれることを期待しています。また、納涼大会は、かき氷や金魚すくい、ヨーヨー釣りなどを楽しみ、定番の盆踊りは双葉幼稚園の園児の踊りで開幕しました。実行委員さんや自治会長さんには大変ご苦労さまですが、これからも地域づくりのためによろしくお願いしたいと思います。
多気郡・玉城社明カップ組立紙飛行機選手権大会
7月18日、第12回「多気郡・玉城社明カップ組立紙飛行機選手権大会」が、多気町役場と多気スポーツ公園で開かれました。創造力豊かな青少年の育成を目的として続けられている行事ですが、今年もまた、家族のふれあいや参加した児童の交流を深めていただきました。
松阪地域トップ会議
7月20日、松阪市・多気町・明和町・大台町の市長と町長による「松阪地域トップ会議」が、県松阪地域防災総合事務所の主催で行われ、松阪地域の活性化の方向性を議論しました。それぞれの市町の観光施策などの課題や問題点について意見交換を行い、今後、定住自立圏の取り組みの中で具体的な案件として煮詰めていくこととしました。また、22日には、三重県国民健康保険団体連合会と市長会及び町村会が主催した「社会福祉制度改革トップセミナー」に参加しました。厚生労働省国民健康保険課長による「国民健康保険制度改革の現状と今後について」と、国民健康保険中央会理事長による「地域包括ケアシステムと地域づくり」と題した講演を拝聴し、増大する医療費や少子高齢社会における現役世代の負担増など国民健康保険が抱える問題や、住み慣れた地域で医療・介護・生活支援等のサービスが提供できる整備の必要性などについて学びました。これから当町においても本格的な体制づくりに取り組んでまいります。
人権センターで夕涼み会
7月23日、人権センターで「夕涼み会」を開催しました。社会福祉の向上とあらゆる人権問題の解決を図るための拠点施設で、町民の交流を深めていただくことを目的として、毎年この時期に行っています。今年も約350人の人出で賑わい、初夏の夕べを楽しんでいただきました。
大淀祇園祭と花火大会
7月30日、伝統行事の「大淀祇園祭と花火大会」が今年も華やかに行われました。午前中は、スポーツ少年団などの子どもたちが「子どもみこし」で地区内を練り歩き、午後は、威勢のいい若者たちが勇壮に山車をひき回し、大淀漁港で2隻の船に載せる「海上渡御(とぎょ)」が行われました。夜には、大淀漁港付近で盛大な花火大会も行われ、町内外から訪れた多くの皆さんを楽しませてくれました。そのほか、7月から8月にかけては、町内各地で昔から続けられている夏祭りや伝統行事が行われました。7月9日は上村の天王祭と算所の祇園まつり、蓑村の虫送りが13日、17日には有爾中の羯鼓踊りが行われ、いずれも江戸時代から続く伝統行事ですが、あらためて関係者の皆さんに心から敬意と感謝を申し上げます。
平成29年4月採用予定の町職員採用試験の応募状況について
平成29年4月採用予定の町職員採用試験の募集を7月29日で締め切りました。応募状況は、事務職の一般枠で募集4人程度に対して26人、U・Iターン枠は募集2人程度に対して4人、保育士兼幼稚園教諭の一般枠で若干名の募集に対して12人、再チャレンジ枠は同じく募集若干名に対して10人でした。試験の日程は、9月18日に一次試験として筆記試験を実施し、10月21日に二次試験を行い、11月中旬には採用予定者を決定していくこととしています。
いじめ防止看板設置 調印式
8月1日、いじめ防止と児童虐待防止の啓発看板を電柱に設置する協定を、設置事業者の中電興業株式会社とテルウェル西日本株式会社、町と教育委員会との4者で締結しました。設置事業者の2社は電柱に広告看板を設置する事業者で、社会貢献の一環として啓発看板の設置を提案していただきました。看板に掲げるスローガンは小・中学校の児童生徒が考えたもので、いじめ防止と虐待防止を町民の皆さんに呼び掛ける内容です。この看板を見た皆さんが「いじめ問題や虐待防止を身近なものとしてとらえていただき、これからのことをより考える町になるきっかけにしてほしい」と、子どもたちに話をいたしました。また、このスローガンを書いた看板を各小・中学校にも設置しました。
広島派遣事業 出発式
この日は、昨年に引き続き8月6日に被爆地広島で行われる平和記念式典に、明和中学校の生徒6人を代表として派遣する「出発式」を行いました。 一行は、5日に出発し、平和記念資料館の見学、被爆体験伝承者の講話を受講、原爆の子の像に千羽鶴を奉納、原爆ドームなどを見学し、被爆の怖さ、恐ろしさ、そして戦争の悲惨さを見て、聞いて、学んできました。今年は、伊勢志摩サミット終了後にアメリカ合衆国のオバマ大統領が初めて広島を訪れ、折り鶴を捧げ、核廃絶への取り組みを全世界に訴えたことから、今まで以上に多くの人たちが注目する式典になったようです。中学生には、あらためて平和の尊さや大切さなど、学んできたことを一人でも多くの人に伝えてほしいとお願いしました。
三重県町村会定期総会
8月9日、三重県町村会の定期総会に出席しました。防災対策や子育て支援など、各自治体が抱える課題や要望事項を国及び県に要請するため、その内容を決議し、一丸となって要請行動に取り組んでいくことを確認しました。
交通安全対策についての要望書提出
8月10日と17日には、各地区自治会から要請を受けていた信号機の設置などの交通安全対策や県道の道路改良等の安全対策について、松阪警察署長と三重県松阪建設事務所長に、それぞれ要望書を提出しました。
宮川流域ルネッサンス協議会
8月18日、伊勢市や明和町など7市町と県で構成する「宮川流域ルネッサンス協議会」が、体験を通じて宮川流域の自然環境や歴史文化を子どもたちに伝えていくことを目的とした「子どもサミットin明和」を、当町で開催しました。開会式で、「宮川は明和町には流れていませんが、斎宮地区や明星地区の田んぼには宮川の水が農業用水として流れてきています。」と説明しました。参加した子どもたちは、遺跡発掘体験や竹細工の竹筆づくりを体験し、午後は、宮川ではなく祓川で水生生物調査を行いました。夏休みの思い出に残る貴重な一日にしていただけたのではないかと思っています。
三重県ひじき協同組合より乾燥ひじき寄贈
8月22日、今年も三重県ひじき協同組合の皆さんから、「敬老福祉大会のお土産にしてください」と乾燥ひじき2千袋を寄贈していただきました。あらためてお礼を申し上げますとともに、町の特産品でもあるひじきの販路拡大等を、引き続き支援をしてまいりたいと思います。
男女(みんな)の連絡会との意見交換会
8月24日、すべての人たちが活躍できる社会づくりを目指して活動を続けられている「男女(みんな)の連絡会」の皆さんと、「町長と語る会」と題した意見交換会を行いました。特に、これから心配される南海トラフ大地震への備えなどについて質問があり、「自助」「共助」「公助」の取り組みや津波避難タワー建設の考え方等について説明をいたしました。また、ボランティア団体の立場から、有事の際には避難所の運営などに、何かとお手伝いいただきたいとお願いさせていただきました。
臨時福祉給付金の受付開始
9月1日から臨時福祉給付金の受付を研修室で開始しました。給付対象者は約2,800世帯と見込まれます。申請期間は12月1日までです。

次に、本定例会の上程議案につきましては、農業委員会の委員の任命同意が2件、平成27年度継続費精算報告書の報告が1件、松阪飯多農業共済事務組合の解散に関する協議が3件、条例の一部改正が2件、全部改正が1件、制定が1件、平成27年度水道事業会計未処分利益剰余金の処分が1件、平成28年度一般会計補正予算ほか4つの特別会計補正予算と水道事業会計補正予算、そして、平成27年度の各会計の決算認定をお願いすることとしています。
今後とも、町民の皆さんが日々充実した暮らしができるまちづくりの実現のために、町民の皆様、議員の皆様のご理解とご協力を賜りながら、総合計画に定める将来像の「歴史・文化と自然が輝き、快適でこころ豊かな「和」のまち明和」を目指して、誠心誠意努力してまいりますので、よろしくご審議を賜りますようお願いを申し上げ、行政報告とさせていただきます。
平成28年9月9日







平成28年第2回明和町議会定例会より 行政報告
「6月議会行政報告」
【行政報告】
はじめに
去る4月14日、午後9時26分、熊本県熊本地方を震央とするマグニチュード6.5の地震が発生し、熊本県益城町で震度7を観測しました。その28時間後の4月16日、午前1時25分には、同じく熊本地方を震央とするマグニチュード7.3の地震が発生し、熊本県西原村と益城町で震度7を観測しました。 人的被害は、死者49人、関連死疑いが20人、行方不明者1人、負傷者1,684人で、避難者数は熊本県の最大時で183,882人、被害総額は最大4.6兆円と発表されました。家屋被害は、建築基準法が改正された1981年以前に建築された古い木造家屋に集中しているようです。あらためて、自然の脅威を感じずにはいられません。被災されました皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられました方々のご冥福をお祈り申し上げます。 なお、町民の皆様から寄せられた義援金は6月1日現在で、町社会福祉協議会に寄せられた分と合わせて、21万3,343円です。明和町からは10万円を義援金として、いずれも日本赤十字社を通じて熊本の被災地へ送らせていただきました。

済生会明和病院の「お花見会」
4月5日、済生会明和病院で恒例の「お花見会」が開催されました。絶好のお天気の下、三重高校吹奏楽部の皆さんの演奏を聴きながら、入院されている方や明和苑、なでしこに入所されている皆さんと、満開の桜を楽しみました。 「里親制度」の普及啓発に取り組む協定を締結 4月6日、伊勢志摩定住自立圏推進協議会の3市5町が、虐待や何らかの家庭事情を理由に親の元で暮らせない子どもたちを育てる「里親制度」の普及啓発に取り組む協定を締結しました。全国で、社会的養護や家庭的養護を必要とする子どもは46,000人、三重県では500人で、多くは高校、大学にも進学できない学習環境や貧困状況に置かれています。市町の他に、伊勢商工会議所や伊勢市社会福祉協議会、各金融機関などと協定を締結しました。先ずは里親制度を知ってもらい理解を深めてもらうことから取り組んでいこうと思います。
入園・入学式を挙行
4月6日、7日、8日には、町内の小・中学校と幼稚園で入学・入園式を行いました。今年は6つの小学校に209人、中学校に202人、3つの幼稚園には46人が入学・入園しました。次代を担う子どもたちには、大きな夢と希望を持って、そして、健やかに成長してほしいと願っています。

農業委員会第1回総会
4月9日、明和町農業委員会第1回の総会が開催されました。農業委員会は農地等の利用の最適化、担い手への農地の集積・集約化、耕作放棄地の発生防止・解消などの課題解決のため、今後3年間、明和町の農業振興に寄与していただくことになります。総会では、これから農業委員会を運営していただく会長と会長職務代理者の選任が行われ、会長に多気郡農協理事の中井 宗雄さん、職務代理者に大淀地区で認定農業者の田端 保正さんが選ばれました。農業を取り巻く環境は、高齢化と後継者不足、食糧の自給自足の向上と農地の保全など、厳しい状況にあることは当町も同じです。新しい委員と推進委員の皆さんには、どうかよろしくお願いいたします。 消防団新入団員の辞令交付式と訓練
4月10日、明和町消防団新入団員の辞令交付式と礼式、機械器具の取り扱いなど、初めての訓練が明和消防署で行われました。これから、住民の生命と財産を守る使命を担う消防団員として、ご活躍いただくことを期待しています。 グランドゴルフとペタンク大会
4月11日、中学校第2グラウンドで、町老人クラブ主催の「グランドゴルフ」と「ペタンク」大会が行われました。寒い一日でしたが、お元気な皆さんを拝見し、健康のありがたさを改めて感じました。町民の皆さんには、健康づくりをさらにお願いしたいと思います。 町指定文化財「指定書」を交付
4月15日、「陸軍第7通信連隊128部隊の防空壕」と池村にある「小金古墳群3号墳」を町指定文化財に指定し、西岡教育長から関係者に「指定書」が手渡されました。防空壕の土地の所有者は、中町在住の木戸口 高之さんです。今後、文化財として整備を進めていくことになりますが、戦後70年が経過する中で、貴重な戦争文化財として後世に伝えていかなければならないと思います。少し前までは、連隊の給水塔が役場前にもありました。当時を偲ぶものはなくなってしまいましたが、平和な世の中を創っていくために、町にもそのような歴史があることを、戦争を知らない子どもたちに伝えていかなければなりません。 また、池村の小金古墳群3号墳は10基ほどが確認されています。遺跡状態が非常によく、古代史の解明に欠かせないことから、町指定文化財に指定されたものです。
公民館講座の開講式

4月16日、中央公民館で、平成28年度公民館講座の開講式が行われました。今年の受講者は、33講座に723人、同好会は48講座に701人で、合わせて81講座1,424人となりました。自己研鑽や交流を深めていただき、地域においてもご活躍いただきたいと思います。

熊本地震被災地へ支援
4月14日に発生した熊本地震では、連日、必死に救助活動が行われていることや、度々起こる余震の恐怖から車で避難生活を送ってみえる方が多いなどのニュースが報道されている中、三重県の要請を受けて、4月18日に熊本市へアルファ化米2,500食を送りました。 また、町と町社会福祉協議会で募金の受け付けを始めました。集まった義援金は、日本赤十字社を通じて被災地の皆さんに役立てていただきます。6月30日まで受け付けていますので、ご協力をお願いいたします。その他の支援は、県や全国史跡整備市町村協議会などの要請によって、保健師や職員の派遣などの人的支援も行う予定です。できる限りの支援を考えながら、一日も早い地震の終息と復旧・復興への道筋が開かれることを願ってやみません。

さいくう平安の杜で「花いっぱいおもてなし大作戦」

4月17日、伊勢志摩サミットの開催に合わせて、「さいくう平安の杜」に来ていただく方に花を通じて楽しんでもらおうと、「みどりの会」や「呉竹倶楽部」の皆さん、町内の小学生らが、花の苗をプランターに移植する作業を行いました。出来上がったプランターは500個。整備された方画地割(復元道路)の道路脇に、5メートル間隔で綺麗に並べていただきました。天候不順で雨が降る中、名付けて「花いっぱいおもてなし大作戦」大変ご苦労さまでした。

いつきのみや歴史体験館でジュニア・サミット体験・交流行事
4月25日には、ジュニア・サミット県内分散型体験・交流行事Dコースに選ばれた「いつきのみや歴史体験館」に、各国代表者7人らがお越しいただきました。みどり保育所の園児たちが外で、館内では斎王(前田 彩乃さん)が一行を出迎え、斎宮会の皆さんのお点前で抹茶のおもてなし、盤すごろくなどを楽しんでいただきました。あっという間の行事でしたが、「伊勢志摩サミット」の今後の効果を期待したいと思います。

上御糸小学校児童が田植え作業を体験
また、この日は、上御糸小学校の3年生と5年生が、「かみみいとむらおこし」の皆さんからアドバイスをいただきながら、田植え作業を体験しました。今は機械化が進み、手植えはさし苗しかしませんが、お米作りは機械化されたと言うものの手間がかかる農作業です。秋の取り入れ等の作業を含めて、稲作作業を経験することによってお米のできる過程を学び、食の大切さを感じてくれたらと思います。秋の取り入れには、「むらおこし」の皆さんやPTA保護者の皆さんとのお餅つきやお食事会があると聞いています。とても楽しみな体験学習になっています。
産学官が連携して「日本酒造りプロジェクト」を推進
4月28日、皇學館大学と町、そして旭酒造、伊勢萬、松幸農産の産学官が連携して、「日本酒造りプロジェクト」を進めていくことを発表しました。地方創生で新たな土産物を模索していたところ、皇學館大学の千田准教授から情報を受け、地方創生加速化交付金を活用してこのプロジェクトを進めることを決めました。お酒造りの主体は学生で、松幸農産が管理する6反の田で採れたお米で、旭酒造と伊勢萬の酒造会社が仕込みます。その過程で学生たちが、田植えや稲刈りなどの農業体験、酒造体験、豊作を願う神事、ラベルのデザインやプランディング、販売戦略の方法などにアイデアを出します。新酒の出来上がりは来年の2月から3月の予定です。明和町の基幹産業の稲作農業が、この取り組みによって新たな展開に発展し、特産品の誕生が活性化につながっていくことを願っています。
更生保護女性の会が総会
5月7日、「更生保護女性の会」の総会が中央公民館で行われ、様々な社会貢献活動に参加いただく皆さんにお礼を申し上げました。更生保護女性の会の皆さんは、「社会を明るくする運動」への参加協力、中学生の社会参加活動への協力など、幅広い活動を行っていただいています。改めて、日頃の活動に感謝申し上げたいと思います。
恒例の「大淀海岸クリーンアップ大作戦」
五月晴れの5月8日、今年で7回目となる「大淀海岸クリーンアップ大作戦」が、地元環境団体の「大淀ビーチクリーン」の主催で行われ、大淀海岸周辺の清掃活動にたくさんの人が参加していただきました。改めて、関係者の皆さんにお礼申し上げます。
斎王まつり実行委員会が知事を表敬訪問
5月16日、「斎王まつりにぜひお越しください」と、第32代斎王役の八木 美海(はるか)さん、女別当役の島谷 菜々子さん、斎王まつり実行委員会の皆さんらと、鈴木知事を表敬訪問しました。知事から、「斎王まつりは三重県の歴史文化の情報発信の大きな力。まつりを成功させ、地域の発展のために応援する」とのお言葉をいただきました。
小学校4校で「春の運動会」
5月21日、町内の4つの小学校で「春の運動会」が行われました。この日は25度を超える夏日になりましたが、大淀・下御糸・斎宮・修正の各小学校の子どもたちの元気な様子を見て回りました。上御糸小学校と明星小学校は「秋の運動会」です。今から楽しみにしています。
恒例の「全町自治会長会議」を開催
5月31日、全町自治会長会議を中央公民館で開催しました。議員の皆様にはご多忙のところご出席をいただき、誠にありがとうございました。平日の会議にもかかわらず、8割の自治会長さんが参加していただき、役場から自治会でお世話になる各種事業の説明などを行いました。自治会からいただいている要望については、今後、各地区自治会で懇談会を計画していますので、その時に具体的な回答や説明をさせていただくこととしています。 また、今年は、自治会長の皆さんにぜひ「日本遺産」を知っていただきたく、第2部として施設見学会を計画しました。日本遺産に認定された文化財等の内、「隆子女王の墓」「カケチカラの発祥の地」「佐々夫江行宮跡」「業平松」「斎王尾野湊御禊場跡」「斎王の森」「竹神社」などの所在をバスから確認していただき、「斎宮歴史博物館」と「さいくう平安の杜」では、担当者から施設の説明をしていただきました。これからも「日本遺産」を全面に打ち出し、斎宮跡だけではなく町全体のネットワーク化によって、町の活性化に結び付けていかなければならないと思っています。
多気郡保護司会の3町合同会議
6月1日、多気郡保護司会の3町合同会議が「明和の里」で開かれました。この会議は、7月に行われる「社会を明るくする運動」の取り組みで、多気郡3町が共同して行う事業や各町が独自で行う事業について、意見交換が行われました。
防犯パトロール隊「青レンジャー」の総会
6月2日には、防犯パトロール隊「青レンジャー」の総会が、中央公民館で行われました。青レンジャーは、青色回転灯でのパトロールの他、子どもたちへの防犯の呼びかけなど、子どもたちが被害に遭わないようにと、防犯活動にご尽力をいただいています。
第34回「斎王まつり」
6月4日と5日、34回目を迎えた「斎王まつり」が、今年も町内外から多くの方々にお越しいただき、盛大に開催されました。心配されたお天気ではありましたが、二日間にわたり大きな事故もなく無事に終えることができましたことは、ひとえに実行委員会の皆様の英断と、まつりに携わってくださいました関係者の皆様のおかげであり、心から敬意と感謝を申し上げます。 今後も、町民の皆さんが安全安心で、日々充実した暮らしができる町政を推進するため、議員の皆様のご理解とご協力を賜りながら、最大限の努力をしてまいりますので、よろしくご審議を賜りますようお願いを申し上げ、行政報告とさせていただきます。







平成28年第1回明和町議会定例会より 行政報告


平成28年第1回明和町定例会にあたり、平成28年度の行政運営に対する私の施政方針について申し述べ、議会ならびに町民の皆様のご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

(基本姿勢)
 私にとりまして3期2年目の予算編成を迎えることとなりました。
私はこれまで、『人にやさしいまちづくり』をスローガンに、「元気なまち」「信頼されるまち」「みんなが誇れるまち」の実現に向けて、全力で取り組んでまいりました。
そして、何よりも議会の皆様、町政を多方面から支えていただいている方々のご支援により、公平で透明性のあるまちづくりを推進してまいりました。
 今後とも、私の政治信念である「是は是、否は否」をもって、これまで以上に中・長期的な視野に立ち、将来を見据えた施策の選択を行い、明和町第5次総合計画に定めるまちづくりの基本理念である「人と地域の活力の創造」の下に、『歴史・文化と自然が輝き、快適でこころ豊かな「和」のまち明和』の実現をめざします。
具体的には、次代を担う子どもたちが思いやりのある豊かな心を育み、本町の貴重な歴史・文化と恵まれた自然を守り育て継承し、すべての世代の人びとが地域の活力を高める絆を深めながら、安全で安心していつまでも生き生きと快適に暮らせる、心あたたかいまちづくりに、全力で取り組む所存でございます。

(町を取り巻く情勢)
 さて、昨年はあの悲惨な戦争の終結から70年の節目の年を迎えましたが、町では「平和記念事業」として、明和中学校の生徒4名を「広島平和記念式典」に派遣させていただきました。
平和の尊さ、大切さをあらためて感じていただき、再び戦禍にまみれることのない「平和な社会を築いていきたい」と決意を語っていただき、大変嬉しく思ったところです。
 また、史跡斎宮跡を始めとする「斎王・斎宮」に関連する文化財等が、「祈る皇女斎王のみやこ 斎宮」として「日本遺産」に認定されました。さらに、念願であった史跡斎宮跡に、斎宮が最も栄えた平安時代の実物大建物の復元事業が完了し、「さいくう平安の杜」公園として、より身近なものに感じていただき、多くの方が訪れてくれるようになりました。
 一方で、少子高齢化へ向けての医療・福祉・介護・年金などの社会保障制度の確立、とりわけ地域包括医療・ケア体制の整備は、それぞれの関係機関と連携を図り、早急に取り組んでいかなければなりません。
そのような中で、人口減少に歯止めをかけようと「地方創生」や「一億総活躍社会」など、新しい取り組みも始まりました。
また、農・漁業などの一次産業に影響を与えるTPP問題や後継者問題は、早急な対策が求められる状況となってきています。
さらに、消費税10%の引き上げを踏まえた経済対策や、南海トラフに対する津波避難タワーなどの防災対策が急がれる中、将来に明るい展望を開いていくためには、地域の実情に即した積極的な政策を展開する年にしていかなければならないと思っています。

それでは、平成28年度の重点化すべき政策分野、防災対策、教育環境の整備、町の活性化、福祉・生活環境施策、行財政改革の基本的な考え方及び平成28年度予算の概要、主要施策・事業については、副町長から詳細について説明させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

(1)防災対策
防災対策は、安全・安心のまちづくりの中心となる最重要課題として取り組みを進めます。
平成24年度から三重大学との間で「津波避難のあり方」について共同研究を進めており、大淀・下御糸地区のほか、全地域でそれぞれの地域の状況に合わせた防災の取り組みを、住民の皆さんと行政とが一体となって、避難方法や災害時要援護者支援等の具体的な課題を整理し、進めていくこととしています。
その中で、「津波避難計画」の策定を行い、緊急一時避難場所としてイオンモール明和店の屋上、下御糸・大淀小学校の屋上に加えて海岸部6か所の内、昨年着手した大淀地区、浜田・八木戸地区の津波避難タワーの整備を進め、本年度は残る地域の用地等の整備を図ることとしています。
防災対策は、平成26年3月に南海トラフの「津波避難対策特別強化地域」に指定されたことにより、さらに取り組みを加速させなければなりません。
また、消防防災対策の拠点となる(仮称)消防防災センターの整備も考慮しながら、各地域の自主防災活動の組織化と支援対策を積極的に推進し、町民の皆様の安全・安心に寄与していきたいと思っています。

(2)教育環境の整備
教育施設等の整備は、明和中学校の老朽化対策と大淀小学校の防災対策も考慮に入れた老朽化対策が求められていますが、昨年9月の定例議会において「公共施設等建設特別委員会」を立ち上げていただきました。
中学校は、環境に対する配慮や点在する施設、土地の有効的な活用方法や生徒の通学時の利便性も考慮した整備が望まれるため、さらに建設に向けた具体的な検討を重ねてまいります。
大淀小学校は、南海トラフ地震対策、特に津波浸水区域の中になりひら保育所とともに位置するため、少子化を受けて将来の学校規模、学校区の再編成なども含めた詳細な検討のみならず、防災上の移転等を含めた専門的な見地からの意見や地域の方々の意見を踏まえて検討します。
幼稚園・保育所は、防災上の視点はもとより、少子化の影響をうけることから、将来の幼稚園・保育所の在り方の検討を行い、現状を見直す必要性があります。すべての子どもたちが健やかに育つよう、子ども・子育て支援を「みょうじょうこども園」を中心に進めながら、地方創生や人口減少対策としての結婚・出産・子育て支援対策にも取り組みます。
文化・スポーツ事業では、平成33年に三重県で開催される国民体育大会「成年男子ソフトボール大会」の開催に向けて準備委員会を立ち上げ、会場の整備や運営体制の準備を進めます。また、この機会をとらえて、より多くの方が生涯スポーツや生涯学習の場として親しんでいただけるよう、施設整備を推進します。

(3)町の活性化
町の活性化を図るためには、基幹産業である第一次産業の振興が最重要課題であり、TPP問題などの動きが加速化する中で、深刻な後継者不足や担い手のさらなる育成に向けて、若者の活力を引き出すための施策の展開や農業基盤整備のパイプライン化事業等を推進します。漁業においても、新たな6次産業への取り組みなど、振興施策の強化を図ります。
また、厳しい経済情勢にある中、三重県が制定した中小企業・小規模企業振興条例による振興策の活用を図りながら、町の事業所設置奨励金をはじめとした商工業振興対策を進めます。加えて、伊勢志摩サミットの開催や来年伊勢市で開催される全国菓子大博覧会、平成32年に開催される東京オリンピック・パラリンピックと翌年の三重国体の開催など、当町を含む伊勢志摩地域が全世界から注目されるこの時期に、史跡斎宮跡に平安時代の実物大の建物が完成したこと、「日本遺産」に認定されたこと等を活用した観光振興施策の推進にも力を入れていかなければなりません。
また、平成24年に認定を受けた「歴史的風致維持向上計画」に基づき、地域の人たちの生活基盤の整備も含めた史跡環境整備を進めるとともに、近鉄斎宮駅北口の開設により増加した町外からの来町者や、通勤・通学者の利便性の向上も図ります。さらには、歴史的文化遺産の保存・活用等の住民への啓発と次世代への文化の継承、町内外への情報発信や観光振興、斎宮跡復元建物の利活用などをより具体化し、町全域の活性化をめざした施策を推進します。

(4)福祉・生活環境施策
福祉の充実と生活環境施策も重要な課題です。超少子高齢社会を迎えて、子育ての相談体制の整備や子どもたちの健康・育成のための子ども・子育て支援対策を推進するとともに、超高齢社会へ向けた医療・介護・福祉を連携させた地域包括ケアシステム体制を早急に構築しなければなければなりません。
また、障がい者の皆さんの暮らしや生活の場の確保に努め、グループホームの整備など、総合的な障がい者福祉施策を推進します。
生活に直結した課題であるごみの減量化や、農業集落排水事業に続いて明星地区から整備が始まった宮川流域関連公共下水道事業、基幹道路や狭あい道路の整備など、生活環境の整備も引き続き取り組みます。

(5)行財政改革
行財政改革にも取り組まなければなりません。国や地方を含め、財政状況が好転する状況にはありません。
従って、依然として厳しい財政状況下にある中、町では今後、中学校の改築など大きな事業が控えており、自主財源の確保や事業の効率化などの行財政基盤の強化を図り、今後の事業実施に備えなければなりません。
歳入は、滞納整理にも重点を置き、クレジットカードによる納税機会の充実や三重地方税管理回収機構を活用した税の徴収率向上に取り組むほか、ふるさと寄附の奨励などにより歳入の確保に努めてまいります。
歳出では、総合計画の施策評価を活用することにより事業の見直しを行い、支出の適正化・効率化をめざします。
行財政改革は絶やすことのできない課題です。効率性に優れた行政運営や開かれた「分かりやすい行政」をめざすため、広報紙や行政チャンネル等の情報発信を強化するとともに、日曜座談会等を活用して町民の皆様の声を町政に的確に反映できるよう努めてまいります。
(平成28年度予算の概要)
  平成28年度予算の概要は、一般会計で78億6,000万円、前年度比1.7%の減となりました。
歳出予算の主な内訳は、人件費、扶助費、公債費を合わせた義務的経費が34億3,851万2千円で、人件費では、菊狭間環境整備施設組合の解散に伴い、負担金に代わって人件費への予算計上が増加することから前年度比4.9%の増、扶助費では、障がい者や児童、高齢者などの各事業に係る給付費等で4.7%の増、公債費は、臨時財政対策債や社会資本整備総合交付金事業により4.2%の増となりました。
物件費については、毎年増加傾向にある各種事業に係る委託料や臨時職員賃金等を各科目で計上しました。
しかしながら、平成27年度当初で多額の予算を見込んだ「社会保障・税番号制度」に係るシステム等導入委託経費が減少したことから、13億5,443万3千円を計上し、前年度比1.1%の減となりました。
維持補修費は、庁舎及び各施設の老朽化に伴い4,544万8千円を計上し、4.5%の増となりました。
投資的経費は、7億7,409万2千円で前年度比40.5%の減となりました。主な要因は、津波避難タワー建設に係る予算の減によるものです。
補助費等では、低所得の高齢者向けの年金生活者等支援臨時福祉給付金及び広域消防組合負担金の増加が主なもので、9億4,739万2千円を計上し、前年度比は7.8%の増となりました。
繰出金は、12億9,012万3千円で前年度比16.6%と大幅に伸びました。この要因は、各特別会計への繰出金のうち、特に国民健康保険特別会計や公共下水道事業特別会計、農業集落排水事業特別会計への繰出しが大きく増加したことによるものです。

これらに対する歳入は、町民税で前年度比0.8%の減、固定資産税は前年度比4.1%の増で、町税全体では23億7,375万5千円を見込み、前年度に比較して1.2%の増となりました。
地方交付税は、前年度比2.7%の増で、これまでの実績から19億円を計上しました。また、地方消費税交付金は4億円を計上し、前年度に比較して23.1%の増を見込みました。
国庫支出金では、9億2,345万1千円で前年度比29.2%の増、県支出金は5億2,571万5千円で前年度比12.7%の増となりました。いずれも扶助費に関連した増加となっています。
寄附金は、ふるさと寄附の見込額の増加により5,050万4千円を計上し、前年度比138.8%の増となりました。
繰入金は、斎宮跡保存事業特別会計への繰出金として歴史的風致維持向上計画に伴う投資的事業への一般財源分に例年同様、ふるさとづくり基金を充てました。
また、他の基金の充当が可能な事業についても、各基金からの充当を行いました。なお、厳しい財政状況から、財政調整基金を含めた繰入金の計上額は3億8,603万6千円で、前年度比32.6%の増となりました。
町債は、津波避難タワー建設に係る起債が減ったことにより例年並みの6億90万円で、前年度比53.6%の減となりました。

以上が一般会計予算の概要でございます。

次に、7つの特別会計を合わせた総額は73億2,910万円で、前年度比1.1%の増となりました。これは、国民健康保険特別会計で診療報酬や療養費及び軽減措置による大幅な伸びがあることや、公共下水道特別会計において宮川流域関連公共下水道事業の進捗に伴い増加していることが主な要因です。

また、企業会計の上水道事業は、7億4,030万円で前年度比9.9%の増となりました。これは、資本的支出において宮川流域関連公共下水道事業等に係る配水管移設工事などの工事負担金が増加したことが主な要因です。
これら平成28年度の総予算額は、一般会計、特別会計、企業会計の9つの会計を合わせ、159億2,940万円で前年度比0.1%の増となりました。

(予算の詳細)
それでは、平成28年度の主な施策・事業につきまして、総合計画の7つの大綱に沿ってご説明を申し上げます。

1.安全で人に優しい環境のまちづくり
災害対策費では、南海トラフ地震などの大規模地震による大津波に備えて、昨年度から5か年計画で、大淀や下御糸の海岸部の6か所に津波避難タワーを建設することとし、事業を推進しているところですが、新年度では、山大淀、北藤原・川尻、大堀川新田、根倉・行部の4地区において、津波避難タワー用地購入費など関連予算を計上しました。
なお、個人を対象とした木造住宅耐震補強工事やブロック塀等改修事業補助金も、引き続き計上しています。
消防関係では、耐震性防火水槽1基の設置工事費を計上しました。また、消防団小型ポンプの更新計画に基づき、池村と八木戸の各部に、消防用小型ポンプを更新します。また、消防団用ホースなど消防機材購入費のほか、幹部研修や夏季集中訓練などの費用も見込みました。
交通安全対策では、クロスマーク路面表示の新設や道路反射鏡設置工事費などを計上するとともに、啓発事業として、高齢者や子どもたちなど交通弱者を対象とした交通安全教室を、幼稚園や各小学校などで実施するための予算も計上しました。
防犯対策では、町内の防犯灯のLED化を推進するため、自治会が設置する防犯灯についても、引き続きLED化の経費を助成します。また、消費者トラブルは、高齢者や障がい者、青少年が被害を受けやすく、巻き込まれるケースが後を絶たないことから、引き続き消費者被害防止のため、相談業務や啓発活動に取り組みます。
環境衛生費では、菊狭間環境整備施設組合の解散に伴い、ごみ収集運搬業務に支障が生じないよう、人件費等の予算措置を行いました。
また、生活環境費では、再生資源集団回収奨励金や生ごみ処理機等購入補助金などを計上し、ごみ減量化対策に取り組むとともに、引き続き空き缶ゼロ運動の実施や大淀海岸クリーンアップ大作戦など、環境共生型の地域づくりを支援します。

2.ともに支えあう地域福祉と健康のまちづくり
社会福祉費では、障がい者医療費、子ども医療費、一人親家庭等医療費や、高齢者・重度心身障がい者タクシー助成金を、実績見込みにより計上しました。
また、「低所得の高齢者向けの年金生活者等支援臨時福祉給付金」が新設されましたので、対象者約2,500人に臨時福祉給付金を支給することとしています。
障がい者福祉費では、相談支援の充実により適正な福祉サービスにつなげることができていることから、特に介護給付費の費用が引き続き伸びるものと見込んでいます。
高齢者福祉費は、敬老福祉大会、最高齢者に長寿をお祝いする記念品や各老人クラブの活動補助のほか、老人ホーム等入所措置費を引き続き計上しました。
児童福祉費では、児童手当などの扶助費のほか、妊娠・出産・育児への切れ目のない子育て支援事業として、引き続き「こんにちは赤ちゃん訪問事業」や「マタニティサロン」「産後ヨガ教室」などの各種事業と、「子ども家庭支援ネットワーク事業」に取り組みます。
子ども支援対策費では、放課後の子どもたちの安全・安心な居場所づくりと健やかな活動の場の確保などを目的とした「放課後子どもプラン事業」として、放課後児童クラブの運営委託料や、放課後子ども教室に係る教育活動サポーターへの謝金等を計上しました。
児童保育費では、公立の保育所、こども園の運営費用のほか、私立ゆたか保育園への補助金や給付費などを計上しています。
保健衛生費では、成人保健対策で、生活習慣病を予防する健康教室や各種がん検診を積極的に推進し、受診率の向上に努めます。また、母子衛生費では、各種健診、歯科保健や特定不妊治療費助成などの各種事業費を計上しています。
国民健康保険特別会計については、被保険者の高齢化が進み医療給付費が大幅に増加していることから、国民健康保険税の税率改正を行い、国保財政の健全化を図ることとしていますが、急激な税率の上昇を抑制するため、一般会計からの繰り入れを行います。
介護保険特別会計では、平成27年度より地域医療・介護総合確保推進法等の改正を踏まえた「第6期介護保険事業計画」に基づき、事業運営に取り組んでいますが、第6期計画では、徘徊SOSネットワークまつさかとの連携や認知症ケア・パスの作成普及、認知症初期集中支援チームの整備などに取り組むこととしています。
認知症予防対策では、社会問題化している高齢者の徘徊対策として、引き続きGPSを活用した徘徊高齢者家族支援サービス事業を推進します。
後期高齢者医療特別会計は、三重県後期高齢者医療広域連合で運営していますが、医療費の増加に伴い、年々、予算規模が伸びていることから、各種健康づくり事業や健診を効果的に組み合わせ、適正な事業運営が図られるよう努めます。

3.地域を支える活力のあるまちづくり
農業振興では、担い手への農地の集積化を促進するため、引き続き新たな組織等へ「人・農地プラン」の作成を促し、農地中間管理機構への貸し出しを推進します。
農地費では、農作業の生産性の向上と水資源の有効活用を高めるため、県営事業として用水のパイプライン化を進めており、平成27年度に採択を受けた「上村線・明星2号線・中村池線」の工事に着手する予定です。
県営地域用水環境整備事業は、斎宮調整池堤防下「にぎわい広場」の工事を計画し、周辺整備の進捗を図ります。
 漁業基盤整備では、下御糸漁港が完了したことから、本年度は航路の浚渫に係る測量を実施し、翌年度以降の工事着手に備えることとしています。大淀漁港の高潮対策事業は、法面工事の一部を実施するとともに、海岸線に砂の浸食があることから測量を行い、養浜及びブロック等の設置を検討します。
商工振興では、商工会の経営改善普及事業と婚活事業活動に係る補助金を引き続き計上しました。
事業所設置奨励金は2社分を計上し、企業立地活動では、産業活性化協議会との連携を強化するとともに、首都圏などで行われる松阪圏域の産業経済人ネットワークや県人会などに積極的に参加し、当町への企業進出につながるよう粘り強く取り組みます。
農漁業者や農漁業者と連携して取り組む中小商工業者が、町内で生産される農水産物を生産・加工・販売する際に製造設備の投資や、販路拡大等の費用の一部を財政支援する6次産業化支援助成は、引き続き意欲ある事業者の掘り起こしを図るため、制度の普及に取り組みます。
観光振興では、新たに策定した「明和町観光振興計画」を基に、日本遺産や史跡公園「さいくう平安の杜」などの観光資源を最大限に有効活用し、観光アプリやフェイスブックによるICTの利活用やマスコットキャラクター「めい姫」による各種事業への参加ほか、近隣市町との広域的な連携を深めながら、魅力的な観光地としてさらなる観光客の増加を図ります。

4.人権を尊重する思いやりのあるまちづくり
人権センターは、すべての町民の人権が尊重される「明るく住みよい明和町」の実現を目指し、地域福祉の向上や人権啓発、住民交流の拠点として気軽に立ち寄れるコミュニティセンターとして運営します。
人権啓発では、「よろず人権相談」や人権を守る会と連携した「人権講演会」を開催し、町民の皆さんに様々な角度から人権の重要性を訴えます。
隣保館運営事業では、「交流祭」や「ひと・まち・ふれあい企画」としての料理教室や陶芸教室など、参加者同士が気軽に交流できる各種講座や人権にかかわる歴史文化遺産などを巡るふれあいツアーを実施します。
男女共同参画費では、「男女共同参画連携映画祭」を企画し、多くの町民の皆さんに鑑賞いただける機会を作ります。

5.快適で機能的なまちづくり
地域振興では、自主運行バス事業の町民バスは利用客が減少傾向のため、より望ましい町民バスのあり方について検討することとしています。
道路整備では、町道坂本前野線と町道本郷勝見第二線を中心に、社会資本整備総合交付金事業を活用して自歩道等道路整備工事の進捗を図るほか、町道明星57号線の新設工事に着手します。
その他の路線については、各小学校区の通学路の安全対策と老朽化の度合い等を十分考慮して、橋梁修繕や舗装修繕を進めます。また、狭あい道路整備事業では、残る計画路線の事業進捗を図ります。
町単独事業は5年要望の最終年度になるため、地元要望を踏まえながら、事業の必要性や緊急性を考慮して実施します。
地籍調査は、有爾中第4・第5・第6調査区の事業進捗を図ります。
農業集落排水事業特別会計では、計画区域内の各家庭からの繋ぎ込み工事の受け入れや処理場の管理業務など、円滑な事業運営が図れるよう推進します。
公共下水道事業特別会計では、宮川流域関連公共下水道事業の新茶屋地区で県道の管路施設工事に着手するとともに、明星地区の町道の一部についても管路施設工事に着手する計画です。
上水道事業については、安全で安定的な水の供給を円滑に行うため、各種事業を的確に実施するとともに、施設の適正な維持管理に努めます。

6.未来を築く豊かな人間性と文化を創造するまちづくり
  「明和町教育行政大綱」に基づき、学校、家庭、地域において「知・徳・体」をバランスよく育成することを目指し、各種施策を推進します。
昨年実施した「平和記念事業」を継続し、次代を担う若者に平和の尊さを学んでもらうため、引き続き中学生の代表を「広島記念式典」へ派遣する予算を計上しました。
2018年に試行され、2020年に小学校に導入される英語科の実施を見据え、昨年夏より外国語指導助手を2名体制にした外国青年招致事業は、幼稚園・保育所の段階から子どもたちに英語に親しんでもらうことを目的とした取り組みとして、より一層推進していきます。 補充的な学習や、家庭、地域と連携した発展的な学習の実施を目的として始めた土曜授業についても、引き続き取り組むこととしています。
また、子どもたちの学習の支援や、学校への支援を行っていくため、学習支援員や学校支援ボランティアなどへの経費を計上しています。
こども園施設管理費では、入園児の増加に対応するための各種費用を計上し、小・中学校の給食施設管理費では、安全で安心な給食を提供するため、アレルギー対策に対応できる献立システムの導入に係る経費などを計上しました。
また、中学校施設管理費では、公共施設等建設特別委員会の経過を尊重し、中学校建設基本設計業務に係る委託料を計上しています。
生涯学習事業として人気のある公民館講座は、新たな講座を新設するなど、関係者の意見を反映した講座の開設に努めます。
保健体育の推進では、引き続き「スポーツまつり」や「スポーツ教室」などの生涯スポーツ振興事業や、「美し国三重市町対抗駅伝」事業のほか、平成33年に開催される第76回三重国体「成年男子ソフトボール競技」の会場設営など、町体育協会に準備や検討を委託するための経費を計上しています。
斎宮跡の保存・活用では、歴史的風致維持向上計画推進事業で「さいくう平安の杜」北側に(仮称)地域交流センター等を建設するとともに、歴史的風致国際観光支援事業を活用して多言語案内板を設置するなど、来訪者の利便性を考慮した整備を行います。
また、「伊勢志摩サミット」に先駆けて行われる「2016年ジュニア・サミットin三重」の体験・交流行事の訪問先に「いつきのみや歴史体験館」が決定したこの機会をとらえて、伊勢神宮と斎宮跡の関わりや日本遺産に認定された「祈る皇女斎王のみやこ 斎宮」の魅力を国内外に発信し、町の活性化につなげていきたいと思います。

7.協働で築くあたたかいまちづくり
平成23年度から始まった「第5次明和町総合計画」は、新年度から後期計画に入りますが、前期計画に引き続き、基本構想で定めたまちの将来像である「歴史・文化と自然が輝き、快適でこころ豊かな「和」のまち明和」の達成に向けて、さらに取り組みを進めます。
地方創生に関しては、平成27年度に策定した「明和町総合戦略」を基に、地方創生加速化交付金や推進交付金を活用し、子育て支援、観光振興、移住定住、産業振興などの施策の充実を図ります。
また、近隣地域との広域連携の一つである「定住自立圏」では、当町は松阪地域、伊勢志摩地域の2つに入っており、すでに締結をしている協定項目の充実のほか、新たな項目の連携も視野に入れた取組を進めます。
ふるさと寄附については、全国各地から多くの皆様にご協力をいただき、平成27年度に寄附金額1億円を達成しました。今後も新たな取り組みを進め、寄附の拡大を図ります。
 町税の収納対策では、三重地方税管理回収機構に徴収権を移管し、徴収率の向上を図ってきましたが、引き続き小額の案件も含めて移管していくこととします。

次に、明許繰越に係る事業につきましては、一般会計では、地方公共団体情報セキュリティ強化対策事業や津波対策緊急整備事業、個人番号カード交付事業、水産物供給基盤機能保全事業、急傾斜地崩壊対策事業で、特別会計では、斎宮跡特別会計で土地公有化事業と歴史的風致維持向上計画推進事業、公共下水道事業特別会計では、伊勢市公共下水道建設事業負担金及び宮川流域関連公共下水道事業に係る施設建設事業が繰越事業として、平成28年度に予算を執行することとしています。
 以上が予算の詳細です。

国では、誰もが生きがいを持って充実した生活を送ることができる「一億総活躍社会」の実現に向けた取組や、TPPを真に経済再生、地方創生に直結するものとするための取組といった喫緊の重要課題への対応に関して、「経済・財政再生計画」を策定し、「デフレ脱却・経済再生」への取組を加速させるとしていますが、本町においては、引き続き税収等の歳入増加は不透明であり、医療、介護、福祉などの社会保障経費の増加に十分に対応できる財源確保が難しく、財政状況が一層厳しさを増す中での予算編成となりました。
これらの施策を具体化するためには、行財政改革を一層推進し、新たな財源の確保、事業の集約化や縮小、事業の取捨選択、あるいは公共施設の統廃合などに厳しく取り組む必要があると受け止めています。急がねばならない政策課題は山積していますが、町民の皆様が希望をもって安らかな日々を暮らせるよう、町職員ともども頑張ってまいりますので、町民の皆様、議会の皆様には、より一層のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。