平成22年第4回明和町議会定例会より 行政報告

「12月議会行政報告」

【行政報告】

●はじめに
  去る11月28日に執行されました町議会議員、町長選挙におきまして、議員の皆様には、それぞれに大変厳しい選挙戦を戦われ、町民の熱いご支持のもと見事に議席を得られたことに対し、改めて敬意と祝意を申し上げる次第でございます。   私も、町民の皆様から無投票当選という栄をいただき、この上もなく光栄に存じますとともに、その責務の重大さをさらに感じ、一層身の引き締まる思いでございます。   そして、本議会は、町長として2期目の最初の定例会でありますので、このたびの就任に当たって所信の一端を申し上げ、行政報告に代えさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。   思い起こしますと、平成18年11月、明和町の「信頼回復」と「改革」、「活力」、「安心」、「創造」のまちづくりを提唱し、町民皆様の大きな後押しを賜り、近年まれな激戦の中、幸いにも初当選させていただきました。この4年間は、多大なお力添えをいただきながら山積する課題や問題は勿論のこと、選挙公約の実現に向け全力で行政運営に取り組んで参ったところでございます。  しかし、行政課題や問題は、時間のかかるものや新たなものも多く、思いどおりに進まないものもありましたが、選挙公約の柱でありました行財政改革は、明和町再生プランを策定し、事務事業2,300項目の洗い出しを行い、そのうち120項目の見直しを実施いたしました。また、町民サービスの向上として日曜開庁の実施、さらに町民皆様との情報の共有につきましても、行政チャンネルの開局や町長日曜座談会などを実施をしてまいりました。  これらの成果はいずれも町民皆様にご好評をいただいておりますが、このことは、ひとえに皆様の大きなご協力をいただいたおかげであり、今後ともさらなるご指導、ご支援を賜りますことを改めてお願いするものでございます。   今日の社会情勢は、国におきまして、ねじれ国会や外交問題、経済対策、雇用問題など課題が多く、国策そのものが明確に見えてこない事態となっております。  一方、地方におきましても、低迷する経済の影響を受け財政事情は極めて厳しく、それぞれの市町ではこの苦難を乗り越えるための行財政運営が求められているところでございます。   こうした中で、2期目の町政を担わせていただきますが、町民皆様の「命と幸せ」を最優先にし、どんな小さな「幸せ」であっても「幸せ」を実感していただける「まちづくり」に全身全霊で取り組む所存でございます。

●少子高齢化への対策
 2期目の思いとして、第一に大きな社会問題となっております少子高齢化への対策であります。まず、子育て支援対策ではこれまで子ども医療費の拡大や待機児童ゼロに取り組みましたが、特に保育所入所の低年齢化は一層進みつつあり、今後においても待機児童の解消と幼保一体化への対応などをさらに加速させ進めなくてはなりません。  また、高齢化対策では介護保険制度が確立されていく中で、介護施設等の充実を図りましたが、これからは介護予防が大変重要であり、高齢者の健康づくりや一人暮らし老人、高齢者世帯が安心して暮らせる町の実現を図ることを目指します。

●産業の活性化
  第二に産業の活性化では、町の基幹産業であります農業は、国の方針が農家の戸別所得補償を行う制度に大きく変わりました。この結果、生産調整を行う大規模農家や担い手農家には一定の成果があったものの、町内で大半を占める兼業農家は経営的に新たな活路を切り開かなくてはなりません。これから農家の皆さんと膝を突き合わせ、それぞれの地域にあった農業経営ができるよう、農協と一体となって最善の取り組みを行います。また、後継者の確保や販路の拡大や農地の集約化等につきましても、農協と力を合わせ進めることといたします。  また、もう一つの基幹産業であります漁業は、町の主力であります海苔養殖とアサリの採貝におきまして、ここ数年は不漁による大打撃を受けており、早急に漁業経営の立て直しを図らなければなりません。現在、漁協を始め関係機関では、海苔養殖におきまして品種改良を、そして、アサリでは漁場の改良等、これまでの漁業の復活に向けさまざまな取り組みが行われております。これら各種の事業展開に対し、町として全面的に協力体制を取ってまいりたいと考えております。  商工業におきましても、リーマンショック以来、日本経済が壊滅的打撃を受け、極度な円高や株価の下落など回復の兆しは見えず、商工業の皆さんには、現状を維持していただけるよう、地場産業の育成を念頭に置き、できる限りの支援を行いたいと考えております。

●学校施設の老朽化について
 第三に、教育環境についてですが、1期目の就任当時から学校施設の老朽化が気がかりで、校舎建設に向けた教育福祉基金を創設し、建設費用の原資とするため、一定額の積み立てを行ってきました。近年特に小中学校の施設は、修繕等の維持費が年々増加の一途をたどっており、その対応に追われているのが実情であります。とりわけ、明和中学校や大淀小学校では、校舎建設から50年有余が経過し、耐用年数も残すところ数年となっており、本格的に校舎の全面改築を進めなくてはなりません。まずは明和中学校の改築からになりますが、事業が大規模であるだけに万全の体制が必要で、就任期間中に建設委員会、建設プロジェクト等を立ち上げ、きっちりとした改築計画を策定したいと考えています。また、大淀小学校につきましても中学校に準じて進めたいと思っております。   一方、教育現場では少人数学級の確立や配慮を必要とする子どもたちへの支援が強く望まれており、学校支援員の確保や保護者、教師を含めた子どもたちの相談窓口の拡充を図り、健康的で健全なそして時代に合った教育の環境づくりに努めます。

●斎宮跡を核としたまちづくり」の実現
 第四に国史跡「斎宮跡」は、町長就任当初から私の気持ちの中で、なんとしても保存活用を加速し、まちづくりの核として、更には町の活性化の起爆剤となるよう思いを高めておりました。こうした中で、幸いにも伊勢神宮の式年遷宮が平成25年に執り行われることから、この好機を何とか活かしたいと「斎宮跡の実物大建物の復元」を県に対し熱い思いで、議員の皆様始め関係者の皆さんと共に訴えてまいりました。その成果もあって県では、本年に史跡の東部地区における実物大の建物復元を中心とした整備基本計画を策定し、事業にも着手していただくこととなりました。私はこの計画を是が非でも、「斎宮跡を核としたまちづくり」実現の新たなスタートといたしたく、町民の皆様、関係者の皆様、そして議会の皆様のご意見をお聞きし、整備に向けた町の考えを強く県に伝えてまいりたいと思っております。

  以上、主な事項を申し上げましたが、この他にも安全安心のまちづくりであります防災、防犯、防火、交通安全対策、環境問題であります地球温暖化対策、生活環境の整備であります下水道整備、道路排水路整備等、進めなければならない重要な事項もございます。それらにつきましては平成23年度予算等の中でご提案申し上げたいと存じます。

 これから4年間、これらの諸課題の解決と新たな事業展開に向け誠心誠意努力し、私の政治の基本であります「元気なまち」「信頼されるまち」そして「みんなが誇れるまち」の実現を目指してまいりたいと考えております。   どうか町民の皆様には「町民の限りない幸せ」のため、今後一層のご指導とご支援を賜りますことを切にお願い申し上げ、2期目の就任に当たり所信の一端を申し述べ、行政報告とさせていただきたいと存じます。

平成22年12月17日






平成22年第3回明和町議会定例会より 行政報告

「9月議会行政報告」

【行政報告】
●はじめに
  ご承知のように今年の夏は、全国各地で猛暑の記録更新が報じられ、9月に入っても連日連夜記録的な暑さが続き、熱中症等の対策が連日テレビ等で報道されたところでありました。   さて、私事ではありますが、このたびの定例会は、町長に就任させていただき1期4年の最後の議会であると同時に、議員の皆様におかれましても、今期の締めくくりの議会になるわけでございます。この間、微力ではありましたが、誠心誠意「町民の幸せ」を最優先にし、私の政治姿勢の原点であります「改革」、「活力」、「安心」、「創造」の実現を行財政全般にわたり断行してまいったところでございます。   しかし、今なお山積している行政課題や問題を1日も早く解決するため、対策や対応は勿論のこと、多方面から取組みを強化し加速しなければなりません。特に平成23年度からスタートします第5次総合計画は、町民皆様の幸せと夢を実現する町の羅針盤であり、財政極めて厳しい時ではありますが、これからの町政の舵取りに全力で取り組んでいく覚悟でおります。   国では、先の民主党代表選挙で激戦の結果、現職の菅氏が代表に選出され、引き続き政府の長として国政を担当されることとなりましたが、この選挙におきまして、国としての課題や問題が浮き彫りになり、特に、経済対策、雇用対策、社会保障、安全保障など早急に取り組むべき事項が目白押しとなっております。これらの課題は地方への影響も大きく、国の財政事情や施策の展開など今後の国政の流れには細心の注意が必要であると考えております。   また、先日、町幹部職員を含む関係職員に平成23年度の予算説明会を開催し、新年度に向けたまちづくりへの思いを伝えたところですが、なに分にも国の動向を把握しないと前に進めないものも多く、今年は、国政の情報に最も近い方に情報提供をしていただこうと、総務省出身の三重県政策部市町行財政室長を講師にお招きし、国の行財政全般の直近の状況や見通しの説明を受けたところであります。  特に、国の平成23年度予算は、概算要求が整い、地方財政計画もそれに合わせ既に試算の計画が立てられています。また、平成23年度シーリングで、対前年比で10%削減する予算は、元気な日本を復活させるため概算要求の組み替え基準が示され、その中で「元気な日本復活特別枠」として1兆円が予算措置される見通しなどの説明を受けたことから、職員にはこれから一層厳しくなる町の行財政運営を理解し、国の動向を見据え予算要求に望むよう指示したところであります。  それでは6月定例会以降、本定例会までの間の主な動きにつきまして簡略にご報告させていただきます。

●大淀ビーチクリーンの海岸清掃
  まず、6月27日には大淀ビーチクリーンの皆さんやボランティアの皆さんなど多くの方々に、大淀海岸の「クリーンアップ大作戦」と称し、海岸清掃に汗を流していただきました。お陰をもちまして今年の海水浴場は沢山の来訪者があり、海水浴やキャンプ場を利用していただいた皆さんに気持ち良く海岸をお使いいただくことができました。改めて感謝を申し上げる次第です。

●職員採用試験
  町役場の未来を担っていただく職員採用は、7月に募集をしたところ、事務職3人、技術職1人、保育士4人、調理師1人合わせて9人の募集人員に対し87人の申込みがありました。9月19日に県下統一の筆記試験を実施、10月31日には面接試験を行い、11月中には採用者を決定していくこととしています。これらの職種の中でも、事務職は16倍の応募があり、今日の失業率や新卒者の就職難を物語っている形となっております。

●群馬県明和町との交流事業
 7月23日から25日にかけまして、群馬県明和町との交流事業を実施しました。ご承知のようにこの事業は、平成11年に群馬県明和町と友好交流提携の締結により隔年で事業実施しており、今回は群馬県におきまして剣道スポーツ少年団の団員と関係者を合わせて21名が、合同稽古や交流試合で相互の親睦と交流を大いに深めてまいりました。

●大淀祇園祭と花火大会
 7月31日には恒例の大淀祇園祭と花火大会が行われました。今年は絶好の祭り日和に恵まれ、町内外から沢山のお客様にお越しいただき、祭りを盛り上げていただきました。この祭りは250年を超える歴史を持ち、近年少なくなっていく伝統行事が多い中、綿々と受け継がれており、地域の皆さんを始め関係者のご苦労に対し、深く敬意と感謝を申し上げる次第でございます。これからもこの祭りが親から子、子から孫へと子々孫々に受け継がれることを念ずるものでございます。  

●第5回全国淡水魚保全シンポジウム三重県明和町大会
 8月5日に第5回全国淡水魚保全シンポジウム三重県明和町大会が中央公民館で開催されました。この大会は淡水魚の生物保全と農業振興や町おこしが目的で、生物の多様性が高い祓川を題材とした大会で、地域の皆さんも合わせ全国から約300人の方々が参加されました。また、全国各地の淡水魚について大学教授や全国の研究会員から基調講演やポスター発表が行われる中、祓川の研究発表を斎宮小学校から、そして上御糸、下御糸小学校からはポスター発表がそれぞれ行われるなど、大会は成功裡に終わり、大いにその成果があったと拝察しております。さらにこの日は淡水魚保全研究会会員の秋篠宮様も参加され、児童の発表を熱心にご覧になられました。また、翌日の祓川現地調査にも参加され、明和町の自然環境を満喫していただいたと思っています。

●町内スポーツの振興
 町内スポーツの振興でありますが、今年は小学生のスポーツ少年団をはじめ、中学生、高校生、一般の各種競技において全国大会へ出場される方が急増いたしました。その中でもソフトボール競技では、スポーツ少年団の男女、中学生女子、高校生女子、壮年、実年と各層での全国大会への出場が相次ぎ、取り分け旭スポーツ少年団は全国3位に入賞されました。また、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)やその他の高校全国大会では、レスリング、バレーボール、ソフトボール、弓道などの競技に5人の方が出場され、特に弓道では、蓑村在住の村上舞さんが全国準優勝の成績を収められ、明和町での個人のインターハイの準優勝は初めての快挙となりました。このように町内スポーツの振興は、様々なところで着々と進められており、大変喜んでいるところでございます。

●平成23年度予算にかかる事業等について陳情
  9月6日と7日に国の平成23年度予算にかかる事業等につきまして、民主党三重県地域戦略局長の森本衆議院議員に予算の増額や確保の陳情を議長とともに実施いたしました。陳情項目は主に、地方交付税の財源確保をはじめ新規事業の採択や継続事業の予算確保などで、特に県営事業でありますが、国営事業に伴います斎宮地区の経営体育成基盤整備事業(パイプライン化)の新規採択、農業集落排水事業の事業費確保、斎宮跡関係の予算確保につきましては、国の担当部署の職員にも同席いただき、町の実情を切々と訴えさせていただきました。さらに農林水産省関係の事業は、県の負担も多額であることから9月10日に農水商工部長に対して、強く陳情をいたしたところでございます。

●長寿のお祝いと社会貢献へのお礼をこめて
 9月20日は敬老の日ですが、長寿のお祝いと社会貢献へのお礼をこめて、9月14日を皮切りに町内高齢者の皆さん宅を訪問をし、長寿のお祝いをさせていただくこととしました。お祝いを受けていただいた皆さんは、当町の最高齢者で101歳の女性の方、また、今年度100歳を迎えられる方7名、同じく夫婦いずれかで88歳以上になられたご夫婦11組の方々に長寿の祝状と記念品をお渡しいたします。併せて、今年77歳、88歳、99歳になられた方々にも記念品を贈呈し、80歳以上の皆さんには、昨年に引き続き全員に記念品を贈らせていただきます。さらに敬老の日のささやかな気持ちとしまして、65歳以上の方々に9月20日の敬老の日と10月3日に開催します敬老福祉大会の当日は、終日町民バスを乗車無料とさせていただく予定です。  今問題になっております高齢者の所在不明の件は、町では戸籍上での住所不明者は、100歳以上で34人の方がお見えになり、その内訳は、105歳以上が32人、その内120歳以上が20人となっております。これらの対応につきましては、これから法務局と相談しながら戸籍簿の整理に当たっていくこととしています。また、住民登録上では、100歳以上の方が8人お見えになりますが、全て所在を確認いたしております。 

  諸報告につきましては、以上であります。

  このたびの定例会終了後、11月末には町長、町議会選挙を迎えるわけでございますが、町政の推進に休みはありません。これまで私なりに町政に対する思いや考えを順次取り組んでまいりました。1期目の締めくくりとして、ラストスパートをかけ、諸課題の解決にまい進し、町民の皆様が日々充実した暮らしができるよう、まちづくりへの思いをさらに加速させ最善の努力をいたす所存です。どうか町民の皆様、議員の皆様にはなお一層のご支援ご協力を賜りますことをお願い申し上げますとともに、今議会上程案につきまして、よろしくご審議を賜りますよう重ねてお願いを申し上げ、行政報告とさせていただきます。

平成22年9月16日






平成22年第2回明和町議会定例会より 行政報告

「6月議会行政報告」

【行政報告】
●はじめに
  国では、首相の交代や参議院議員選挙を控え政局は混沌としており、国政の1日も早い平穏化が望まれております。  こうした中で、われわれ地方に最も影響のあります地域主権改革は、地域主権戦略大綱の骨子案が示されるなど着々と進められております。   特に財政面の改革であります一括交付金制度につきましは、地方の声として確固たる財源確保と地方交付税の存続、ヒモ付き補助金の廃止、公平な交付金の交付等を地方6団体あげて国に強く要望しているところでございます。   一方、国の畜産業は口蹄疫の発生により九州地方では危機的状況にあり、発生地の宮崎県では、発生した場所から10キロメートル以内の家畜(牛、豚)に対し、殺処理を前提にしたワクチン注射が行われています。また、松阪牛のブランドを持つ松阪管内でもこの対策として、いち早く松阪飯多農業共済組合により、管内の牛・豚の飼育農家全てに感染予防として消石灰の配布を行ったところでございます。  それでは、3月定例会以降、本定例会までの主な動きにつきまして、簡略にご報告させていただきます。

●安全安心のまちづくりへの取り組み
  消防団活動の充実と地震津波対策として多機能型小型ポンプ付搭載車を第3分団大淀地区に配備しました。この搭載車にはAEDを始め、エンジンカッターなど各種救助用機材や高性能小型ポンプを装備しており、町内に初めて配備をいたしました。あってはなりませんが、必ずや非常時の際には、ル稼働していただけるものと期待を寄せているところであります。   子どもたちの防犯対策として、児童生徒の通学路に青色防犯灯27基を設置しました。これは斎宮地区の東野・勝見地区から北野地区にいたる約1・4キロメートルに犯罪の抑止力が強いと言われております青色の防犯灯を設置いたしました。なお、この設置費用につきましては、昨年7月に明和サンライズクラブさんからご寄付いただいた財源を充当させていただきました。

●待機児童ゼロへの取り組み「明和ゆたか保育園」開園
  待機児童ゼロ対策で大きな期待を寄せておりました民間の認可保育所「明和ゆたか保育園」が4月1日に待望の開園をいたしました。この保育園には57人の園児が新しく入園しており、現在、新しい園舎で円滑に保育が進められております。また、町内の待機児童も入所決定時はゼロとなっており、多くの町民の皆様に大変喜んでいただいているところでございます。

●地域の文化活動
 生涯教育の中心であります公民館講座と同好会の開講式が、5月1日に中央公民館で行われました。本年度の講座は、小中学生対象の百人一首や囲碁の講座などを合わせ36講座、1,331人の皆さんが受講することとなりました。なお、開校式には約200人の講座生が出席し、盛大に行われました。

●「斎王の舞」保存会が新たに発会
 ふるさと創生事業の一環として「斎王の舞」が創作され、18年が経過しました。この間、この舞を継承してこられた明和音頭保存会の皆様方が「斎王の舞」を町内外で舞い踊られ、その知名度を大きく高めていただき、町の新しい文化の一つとなりました。   そして、5月15日には「斎王の舞」を後世に承継していくことを目的に「斎王の舞」保存会が新たに発会されたところであります。町といたしましても、これまでの実績や功績にかんがみ新しい文化の伝承に支援をしていくことといたしております。

●史跡の保存・活用について
  5月26日から28日にかけ総務産業常任委員会、教育厚生常任委員会により、史跡の保存・活用と防災対策の2点について合同研修が行われました。   われわれ行政側も同行させていただき、多賀城市の「特別史跡多賀城跡」、盛岡市の「史跡志波城跡」等を視察いたしました。いずれの史跡も整備復元に対し、それぞれ市の史跡に対する期待や思いが非常に強いものを感じました。町では斎宮跡が存在して当然といった惰性的な傾向もあり、改めて足元から斎宮跡の重要性や偉大さを発信し、文字通り明和町のこの上もない財産として、町づくりの核として活用したいとの思いが高まった次第であります。

●全町自治会長会を開催
 6月1日に恒例の全町自治会長会を開催いたしました。議員の皆様にはご多忙のところご出席を賜り、誠にありがとうございました。自治会長さんの出席は昨年を上回る74人の方にご出席いただきました。会議の内容は、昨年から簡略化し、役場業務の紹介と説明、そして施設見学と懇談会を実施しました。  特に今年は役場業務で自治会と関わりの深い事項に時間をかけて説明させていただきましたので、これまで以上に自治会運営を円滑にしていただけるものと期待を寄せており、自治会と町とのパイプがより太く身近で密接なものにしていただくことができました。   なお、これまでの自治会要望につきましては、5つの地区別に懇談の場を新たに設け、地域に密着した内容の会議を開催することとしました。

●斎王まつり
  町の2大イベントと位置づけております斎王まつりは、今年も2日間にわたり好天に恵まれ、絶好のまつり日和となり、町民の皆様を始め県内外から多くの方々に来町していただき、盛大に開催され、多くの皆さんに平安ロマンを味わっていただくとともに、斎宮跡、明和町の情報発信を十分に行っていただきました。  そして、大きな事故もなく無事に終了することができましたことは、ひとえに祭りに携わってくださいました皆様のお陰であり、心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。   あわせて斎王まつりにかかわって、県内の郵便局の皆さんが地域貢献として斎王まつりを題材とした記念切手を作成していただきました。この切手は東海地域では10回目で、県内では始めてのことであります。この斎王まつりを再現したオリジナルフレーム切手は、4月26日から明和地域を含む近隣地域110か所の郵便局で一斉に販売されており、折角の機会ですので議員の皆さんを始め多くの方々に購入いただければと考えております。

●北山結子さんの行方不明事件について
 北山結子さんの行方不明事件ですが、月日の経つのは早いもので事件から今年で13年が経過をしました。残念ながら未だ解決に至っておりませんが、この事件を風化させることのないよう、今年も6月11日に斎宮、明星駅を始め町内のショッピングセンター3か所において、警察、友人、町職員等で捜索用パンフレットの配布を行う広報啓発活動を実施したところでございます。

●子ども手当ての支給について
 本年度から支給開始になります子ども手当は、6月10日付で対象者に送金を全て済ませました。その内訳は、4月・5月分は子ども1人当たり月額1万3,000円で、受給対象者数は1,761人、子どもの数は5,848人で支給総額7,602万4,000円でございます。また、旧の児童手当2月・3月分は対象件数1,471件、対象者数4,773人で、3,107万5,000円の支給額で、合わせまして総額1億709万9,000円を支給いたしました。

  諸報告につきましては、以上であります。
  今日の経済事情から町財政も逼迫しておりますが、安全安心で、町民の皆様方が日々充実した暮らしができる町政推進のため、町民の皆様、議員の皆様のご理解とご協力を賜りながら、安定した町政運営に向け最大限の努力をしてまいります。よろしくお願いを申し上げ、行政報告とさせていただきます。

平成22年6月16日






平成22年第1回明和町議会定例会より 行政報告

「平成22年度 所信表明」

 私が初めて町づくりへの思いを述べさせていただいてから、これまでの3年間、町民皆様の「命と幸せ」を最優先にし、「信頼される町づくり」、「みんなが誇れる町づくり」に誠心誠意取り組み、私の行政運営の理念でありました「是は是、非は非、そして一歩前に」を貫き、町民の皆様や議会の皆様を始め、多方面から支えていただき公平で透明性のあるまちづくりを展開させていただいてきたところでございます。  取り分け選挙公約の柱でありました事務事業2,300項目の見直しは、議員の皆様にもご指導ご助言をいただき、明和町再生プランとして策定し、このプランに沿って行財政改革を積極的に進めてまいりました。  財政再建の根幹であります歳出抑制は、1円たりとも無駄にしないとの思いで、人件費の削減は勿論のこと、物件費、補助費等の経常経費の徹底した見直し、起債借入れの抑制などを行いました。また、安全で安心なまちづくりでは、学校を始めとする公有施設の耐震対策、災害時の要援護者対策、津波対策であります大淀漁港区域の堤防改修の着手などを進めました。  教育福祉では、乳幼児医療費助成の拡大や妊婦健診回数の充実、みどり保育所仮設園舎の解消、斎宮幼稚園駐車場の確保、学校区の見直し、そして将来に向けた教育福祉基金への積立てなどを行いました。  町民サービスの向上では、かねてから町民皆様からの要望が強かった日曜開庁、町長日曜座談会を開始しました。また、行政情報の共有化をさらに強化するため、明和町行政チャンネルを開局し、町内のニュースやお知らせを始め、議会の一般質問、町長記者会見などを放映し、情報発信の拡充を行い、行政との距離をより一層身近なものにさせていただくことができました。  3か年という短い期間でありましたが、私なりにまちづくりに燃え、全力投球で事に当たってまいりました。しかし、町の抱えている課題はまだまだ数多く山積し、じっくりと時間を掛けなければならないものが多く、腰を据えて課題と正面から向き合い、最善を尽くし解決していかなければならないと改めて感じているところでございます。   また、これからの町づくりは、地方分権がさらに加速し、協力協働の町づくりは勿論のこと、今まで以上に「地域主権」、いわゆる町民主体の町づくりが求められる情勢であります。このことを実現するためには、町民の皆様と町が1つでも多くの情報を共有することが極めて重要で、情報公開を始め、行政にかかる情報をあらゆる情報網により全面的に発信し、町民の皆様に町づくりに参加していただける土壌と基盤を確立していかなければならないと考えます。

(予算編成)
 本年度の予算編成は、まず、国は「平成22年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」に基づき、地方財政計画による予算規模を82兆1千200億円とし、対前年比はマイナス0.5%と見込みました。その中で地方交付税は、原資である国税5税が大幅に減収しており、本年は「地域活性化・雇用等臨時特例費」約1兆円が新たに予算措置されたことにより対前年比は6.3%の伸びとなっていますが、この伸びを町財政にそのまま適用できるものではございません。地域活性化分については、過疎、合併市町へ厚い交付がなされ、あまり多くの額が望めない状況であり、また、国の各種交付金が軒並み減額、町に大きく影響します土木予算の地域活力基盤創造交付金(広域圏道路自歩道設置)は事業名が変更され、交付ベースで2割カットとなり、各種の事業が増えつつある町の財政状況の現実は大変厳しいと言わざるを得ません。   国は経済対策の目玉として、平成21年度第2次補正予算と平成22年度予算を合わせて執行していくこととしております。町も同様に、平成21年度3月補正予算の地域活性化きめ細かな臨時交付金事業の8千万円、農業集落排水事業及び漁港改修事業外の約8億円の予算を明許繰越でお願いし、平成22年度予算と合わせて、13か月予算とし、少しでも町の活性化が図れるよう予算編成を行いました。

  次に、町の歳入は経済不況のあおりを受け、対前年比個人町民税で1.4%、法人町民税で1.5%の減を見込んでおりますが、固定資産税では新築家屋の増により対前年比3.5%増、町税を総じて、対前年1千366万7千円、率にして0.6%の増を見込むことといたしました。   なお、地方交付税は、町への加算は少ないと判断し、安全策を取り最小限の増額といたしました。   一方歳出は、現下の財政が大変厳しい状況であるだけに、「実施すべきものは実施する」、「待つべきものは待っていただく」ことを公平中立に判断し、限りなく町民皆様の期待に応えられるよう予算編成に臨みました。

第1点目 新たに事務事業評価システムを導入し、各事務事業の概要、推移、実績、評価に基づく事業推進

第2点目 安全安心を実感していただく施策

第3点目 少子高齢化対策

第4点目 人件費の総枠抑制

第5点目 投資的経費

第6点目 斎宮跡保存事業

 (主な施策・事業)
 平成22年度の主な施策・事業につきまして、第4次明和町総合計画で示す施策の大綱に沿って、その考え方を申し上げます。

第1点目 「やすらぎと憩いに満ちた福祉と健康のまち」づくり
第2点目 「人権を大切にする心のかよったふれあいのまち」づくり
第3点目 「活力と発想と潤いに満ちた産業のまち」づくり
第4点目 「自然と調和したみどり豊かな環境のまち」づくり
第5点目 「知性と感性をはぐくむ教育と歴史と文化のまち」づくり
最後に まちづくりの行政運営

  本年の予算も、財政極めて厳しい中での予算編成ですが、私の任期での最終の予算編成でもあり、各分野でバランスに配慮しつつ、将来を見据え重点項目には思い切った投資をさせていただいたところでございます。特に「安全・安心」、「子育て支援」、「情報の共有」、「教育環境の充実」にできる限りの予算を反映させていただきました。  現下の経済不況はこれまでの常識を遥かに超えており、この難局を乗り越えていくには、町民と行政が一体となって突き進むことが必要不可欠であり、その舵取り役として強い信念と情熱、そして思い切った発想、大胆かつ柔軟な対応を持って、町民の皆様に「明和町に住んで本当によかった」と実感していただけるよう、誠心誠意努力する所存でございます。


平成22年3月10日